今日は残念なお知らせをしなくてはならなくなりました。

京都の老舗せんべいメーカー、雷屋さんが6月いっぱいを持ち廃業されます。

キングカレー

お好み焼き風せんべい

このあたりはご存知の方も多いと思います。
先日ウチに珍しく、雷屋さんの割れせんが入ってきたので、なんだろうな?とは思っていたんですが

80gカレーワレせんべい

80gめんたいこ風ワレ

これらはウチで130円くらいで売ってます。
不揃いだったり割れも含まれてますが、20マイくらい入ってるし、通常だと1マイ12円くらいなので、超お得でっせ!

誰もが知っている駄菓子が無くなるということ

どの駄菓子メーカーにも言えることなんですが
こんなに老若男女問わず日本国民のほとんどが知っている、口にしたことのある、郷愁の念があり、愛されている、そんな製品を輩出している駄菓子メーカーさんという存在は、ほんとにすごいことですよね。
もう現実を直視したくないほどの喪失感ですが、現実に、今回その駄菓子メーカーさんのひとつが、また廃業ということになってしまいました。

理由。

創業者の永眠、それに伴い創業者妻が社長に就任するも同様に高齢のため入退院を繰り返し、長年務めていた熟練の職人も高齢のためリタイアが続き、生産状態を維持することができなくなった

後継者の不在、原材料の高騰、施設の老朽化、ベテラン従業員のリタイア

よく聞く単語のまさにオンパレードです。

しかし問屋や販売店、お客様に迷惑をかけたくないという社長の意向により、倒産ではなくきちんとした廃業、店じまいという形をとることにし、2018年6月までは平常通りの営業を実施。
これを基本方針にすることで関係者に迷惑をかけることなく、廃業・店じまいという形を取ることにした、とのことです。

たいへんに恐縮なことながら、通達文の一文を引用させていただきます。

最後まで弊社とお付き合いいただけるお得意先様への納品につきましては、必死で納品に努めたいと考えております。

いままでお世話になったすべてのお客様、従業員、関係者に感謝の気持ちを最後まで形にした社長さんの心に胸が熱くなるばかりです。

こちらも最後までしっかりと販売をさせていただきます!

最近は本当に、廃業して二度と味わえなくなる駄菓子が多いです。

毎回言ってますが、昔からずーっと当たり前のようにすぐそばにある駄菓子が、今後も未来永劫無くならずいつまでもあるなんてことは無く、いつでも味わえるのではなく、今あることが貴重だということをまたしても思い知らせれました。
おそらく6月以降は、ニュースなどで取り上げられて、全国的に商品が枯渇。
そしてメルカリヤフオクamazon楽天などでは定価の数倍数十倍の値段がついてお祭り騒ぎ状態になることでしょう。

今回で思い知らされましたが、そのとき世間は「売れない、人気がないから廃業になった」「皆がもっと買っていれば廃業にはならなかった」という論調になるのですが、おそらくそうではないんですよね

直接的な原因は「後継者の不在」ということになるし、「原材料の高騰」も間接的な原因でもあるのですが、少なくとも「売れない」が原因ではなく、実際はもっと単純ではない気がするのですよね

戦後に生まれた駄菓子メーカーは、戦後の混乱の中食うや食わずの中、なんとか生活していこうと必死になって売れるものを作ってきた、そんな創業者が多いと思います。
まさに生活の一部だった、人生の一部だった。
それは創業者だけではなく、高齢の従業員もそんな思いだと思いますが

だから作れなくなったらそこで終わり。

無理に誰かに継いでもらいたいとか、そういう事ではない。

商品の終わり=会社の終わり=自分の終わり

そういうことなのかもしれない。

寂しいけど一応レビューですよ

カレーせん

ポットの方開けるのもったいないので、割れ煎の方開けますよ。

はい昔からあるカレーせんべいですよ。
「キングカレー」といったキングコングの絵のついたやつと、そうでない子供の絵がついたのがあり、昔から親しんだ大人が思い出話をするとき、いつもこれが原因で議論になりますね。

綺麗なおせんべいですよ。
これを安定した焼き加減、味付け、形に製品にするには職人さんの熟練の技があるに違いありません。

パクー!!
普段通りの、昔ながらの、いつも変わらず何十年もそこにあり続けた、いつものカレーせんの味がします(泣)

めんたいの方もいってみましょう。

並べないとぜんぜん違いがわかりませんが、色が薄くて、カレー粉っぽいのがかかってないです。

きれい。

パクー

食感はカレーせんと同じ、サクサクのおせんべいです。
風味はまさにめんたい。
こういうのもあったんだぁ。

最後に

6月いっぱいで廃業ということですが、おそらくまた以前のポテトフライ騒動、カール騒動ウメジャム騒動、と同様、必ず市場が大混乱するはずです。
当店ではできるだけ多くのお客様に味わっていただき、できるだけ多くの方に記憶にとどめておいて欲しい思いがあります。
ですので、ひとりのお客様に何十ケースも販売することはせず、できるだけ定価に近い価格で長く多く市場に提供することで、乱暴な値上がりを少しでも防ぎたいと考えています。

寂しい限りですが、最後なのでじっくり味わって、あー美味しかった!と京都の方向に手を合わせていただきますとごちそうさまをしましょう!

雷屋さんwebサイト
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/kaminari/

 

2018年4月6日追記

せっかくなので、お好み焼き風せんべいの方もちゃんとレビューしときますえ!

こっちも忘れちゃいけない、忘れられるわけがない

僕は小学生のころは、「キングカレー」もかなり好きな方だったんですけど、実は「お好み焼き風せんべい」の方がずっと好きだったんですよね。
どのくらい好きかって、ウチの店で好きな駄菓子トップ3くらいに入ってましたね。
なのでレビューとしてはこっちの方が熱を入れて書きますよ。

だって、せんべいにホンモノのソースをたらして食べる駄菓子だなんて、前代未聞じゃないですか!
古今東西津々浦々、きいたことがありませんよ!
駄菓子界においても、煎餅界においても、一大センセーショナルだったはず(想像)
まさに異端児、革命児といっても差し支えなし!(希望)

そうそうこれこれ、この絵。なつかしい。

日々親しみのあるお好み焼きの味を新しい製法にておせんべいでお好み焼き風味を出した製品です。ソースを付けて召し上がるとより一層うまみがあります。

句読点が無くて微妙に読みづらいこの商品説明のキャプションとも、悲しいかなこれでおさらばですよ。

記憶ですが、昔から変わってないです。この絵。
この真っ赤なソースと、ニッコリ食べてる絵、ピースと思いきや三本指立ててるこの絵!
これが妙に当時小学生だった僕のシズル感をかきたててやまなかったんですよね。

開封の儀。

ありますねソース。
昔はさらに当たり券が入っていたものですが、復刻版からは姿が見えません。
3cm四方くらいの、厚紙に緑色の薄紙がペロっと張り付いていて、はがすと当たりはずれが書いてあったはず。
30年前の記憶ですが、ハッキリ覚えてる。
あれがたまらないんですよ。

さ、出てきました。
二枚のせんべいと、1袋のソース。
これで30円で売るんだから、そりゃ原価高騰にあえぎますよ!
40円でも50円でも売れますって!

でもま、そんな指摘が野暮だって分かってるんです。
利益追求型のビジネスじゃないんですよ、こういう駄菓子メーカーさんって。

生きるための糧であり、日々の生業。

「儲けるため」にやってるわけでもなく、偽善的に「こどもたちの笑顔が見たいから~」とか言うわけでもなく
ただ粛々と、坦々と、不平を言わず、腹黒く利益を求めるわけでもなく、ただ作り続けるわけです。
「お金は正義!」「安く作って高く売る」「ブランディングと見せ方次第でいくらでも高く売れる」
とかそーいう、現代の経済効率最優先の商売の輪から、この駄菓子業界というのは完全に浮いた存在ですね。

たいへんな仕事で、儲けが薄いから、子や孫に継がせてまで存続させたいというわけでもない。
繰り返しになりますが

作れなくなったらそこで終わり。

商品の終わり=会社の終わり=自分の終わり

そんな気がしますよ、ほんとこの業界にいると。

っと、レビューに戻りましょう。

せんべいは昔より小さくなったような。
僕の手が大きくなったのかもわかりませんが。

これはキングカレーと形や大きさが同じですね。
きっと同じラインで作ってるのでしょう。
この左右にチョピっと出てるのかわいい。

タレってかわいいフォントで書いてある。
雷 屋 おいしいって書いてある。

このタレが妙にすっぱしょっぱくて、昔から好きなんですよねー!
だって普通じゃないじゃないですか!

まだご飯食べる前の3時とか4時とかで、お母さんもいないところで、ソースをつける行為自体、なにかこう、いけないことをしてるみたいで、どきどきさせるものがありますよ。
こういうの、すごく駄菓子的行為だと思ってます。

いつも言ってますが、駄菓子は「食べちゃいけないもの、食べられないものを食べる、食べられる」
そういうところが駄菓子的良さだと思う。
タバコの形してるとかね、お酒が入ってるチョコレートとかね、歯ブラシの形してるウエハースにチョコの歯磨き粉とかね、ピーピーするラムネとかね、

そういった食べる行為自体が遊びであり、おとなは忘れてしまった、こどもにしかないぐううううっとくる遊びの感情、心の栄養なんですね。

とにかくこのソースをつける行為、やばいです。

パクー

ひさしぶりに食べたけど、せんべい自体すっごい味付けしょっぱい!
さらにソースもかなりしょっぱいすっぱいから、口の中すんごいしょっぱい!

でもウマー!!

二枚目とのソース配分をどうするかが問題。

大抵一枚目でかけすぎるので、二枚目はちょっぴりしかかけれなかったりする。

なので、エエイ!ならばちょっぴりかけて薄味せんべい食べるくらいなら、このまま直接口でジュビビっと吸ってやる!

とばかりにお行儀の悪いことをするのも駄菓子的。

そんなわけで「お好み焼き風せんべい」20入

6月まで生産してくれるそうですし、うちも在庫たくさん抱えるつもりですが、どうなるかわかりません。
もうすでに情報はかなり出回っていて、新聞やテレビ局から取材がいってるころだろうし、ツイッターなどでも拡散前夜という感じがします。
そうなればこのご時世、間違いなく転売ヤーが出てきて確保&値段のつり上げがはじまります。

30円×20枚=600円、税込みでも684円

この金額が、10倍~20倍も覚悟した方がいいかも
ウメジャムは10円×40枚=400円、税込み432円の商品が、amazonかどっかで1万円くらいまで上がってました。アホかと。

ウチでは前述の通り、できるだけ定価に近い価格で長く多く提供したいと考えています。

ですので、おひとり様の購入制限を設けるつもりです。
(実際問題ウチでは普段考えられないほどの在庫を抱えてしまうので、どういう数量制限になるかは状況次第ですが)

というわけで、いまならまだ普通の定価でいくらでも購入okですよー!
よろしくお願いいたします。

購入に関しての最新情報は、リンク先の通販サイトの方で随時お知らせしていきますので、ご覧くださいませ…

ABOUTこの記事をかいた人

フリーペーパーの編集、量販店バイヤーを経験したのち、実家の家業である菓子問屋「あまのや繁田商店」を継ぎ4代目に。 旅とバイクとコーヒーが好き。