駄菓子の終わりとはじまりとクラフト駄菓子構想

駄菓子界もコロナを機に変革が必要。

まず、らあめんババア終売に関して

2020年5月22日早朝、twitterでらあめんババア終売の知らせをつぶやいたところ、大変な反響をいただきました。
一般の方にとってみたらなじみ深いお菓子が無くなってしまうのは悲しいことで
当店のような小さな販売店にとっても、この1アイテムだけで年間数十万円の売上を作っていたわけで、それが無くなってしまうのは即、売上減という厳しい現実があります。
コロナ禍で業績が著しく落ちた企業は数多くあると思いますが、飲食店や一部の販売店に比べ、食品メーカーはさほど影響はないと聞きますし、特によっちゃん製菓さんは経営難というわけではなく、数あるラインナップから選択と集中をするための経営改善の一環で、コロナはそのきっかけだったんだと思います。

駄菓子は戦後のガレキから生まれた

雷屋さんのキングカレーが無くなってしまうときに思ったことですが、やはり駄菓子というものは戦争でめちゃくちゃになってしまった日本で、食うや食わずのガレキの中から、そこあるものでなんとか売れるものを作れないか、ということで勃興した、だからメーカーも問屋も創業75年-100年くらいが多いのだと先代から聞きました。
特に創業から今でも、ほとんど個人や家族、一族レベルで作ってるメーカーなんてごまんとありますから、豊かになりたくて創意工夫の結果、美味しい、面白い、楽しいものを作り上げたんだと思います。
あたりがでたらもう一本なんてアイデア、よく思いついたと思いますよ。

駄菓子とてはじまりがあれば終わりもある

そんな戦後からもう75年も経てば、生産者や技術者、職人は年老いて、減価償却の済んだ機械もボロボロになり、新たに機械を作りなおそうとか、人を育てようとか、小さな会社はやりません。
できない、やらないというより、やりたいとも思わない、必死になって作ってきたお菓子と共に歩んだ、自分の人生。
自分の一生を終えるときが、このお菓子の終わりなんだ、そんなことをどのメーカーからも感じます。(大きいところは別ですけど)
だから、好きなお菓子が無くなってしまうのは悲しいことだし、惜しいのですけど、今までよく楽しませてくれたと、見送ってあげるのが正解なのだと思います。

ただ、このまま終わらせるわけにもいかない。
駄菓子文化の継承などと大儀を振りかざすのではなく、こんな面白いものがなくなってしまうのは嫌だな、自分たちのこどもも楽しませてあげたいな
モチベーションとしては、そんなもんでOKだと思ってます。

つまり、これからは新しい駄菓子を、自分たちの手で作っていきたい。

それも311やコロナ禍、もしかしたらそれ以上の災害があるかもしれない僕ら世代にとっての戦後に。と、そう思っています。

具体的になにか…「クラフト駄菓子」構想です。
近年ではクラフトビール、クラフトジン、クラフトコーラ、スペシャリティコーヒーなど、一念発起して個人経営でのモノづくりが増えているように見受けられます。
農業や漁業などの一次産業も若いやる気のある若い方やベンチャー企業がどんどん初めてますし
駄菓子も、ひとつのクラフト産業の仲間入りができるのではないか、情熱を燃やして作るに値する市場が開けているのではないか、それをやるだけの素地ができているのではないか
と思っています。
新しい駄菓子を作るのって、キャッチ―だし、面白そう!と思ってもらえそうですしね。

ウチはまだ6店舗ですけど、それを仕入れて売るだけの場所はありますし、全国にチャネルのある問屋も数多くありますし、売るのは任せてください!

構想→原料調達→工場の紹介→パッケージデザイン→プロモーション→仕入→販売
この流れのプラットフォームを作りたいと思っています。

絵に描いた餅ではいけないので、まずは率先してウチが商品開発をして、リアルに販売をしていきたいと思っています。

何を作るかは…乞うご期待!

同時に、クラフト駄菓子プロジェクトに参画していただける業者さま、生産者さま、ご連絡お待ちしてます…!

→らあめんババア販売ページはコチラ

ABOUTこの記事をかいた人

フリーペーパーの編集、量販店バイヤーを経験したのち、実家の家業である菓子問屋「あまのや繁田商店」を継ぎ4代目に。 旅とバイクとコーヒーが好き。