どうぶつヨーチの謎2

節分も過ぎましたが…今日はどうぶつヨーチについてです。

NHK静岡さんから「どうぶつヨーチ」に関して取材を受けましたので、もう一回考えてみました…(2018年2月8日木曜18時より、たっぷり静岡にて放送予定!)
↓過去記事。

どうぶつヨーチの謎

ひとまず普通にどうぶつヨーチの紹介。

これがウチでよく扱っている、黒川製菓さんの動物ヨーチ、100円(税別)。
お菓子もパッケージも、いかにも昔からあるって感じの商品ですよねー
動物の形をした堅めのビスケットに、砂糖のかたまり=色とりどりアイシングが乗ってるというお菓子。
ちなみに動物の形というのは動物のパッケージデザインだからこそ「あぁ動物の形を模してるのね」と想起するものの、お菓子のみを見てなんの動物なのかは殆ど判別不可能(笑)
誕生は1960年代なかばとういことで、戦後からできた商品なんですね。

静岡では全国的に珍しく、これを節分で豆と一緒に撒くというのが大昔からのド定番でして、それはいったいぜんたいなんでなの?ってところを、NHKさんは探りまわっているようなんです。
県外の方からするとただの昔からあるお菓子なんですが、静岡人にとっては動物ヨーチ=節分という図式が公然と成り立ってるんですね、確かに謎。

もう少し動物ヨーチについて深堀りしてみると

僕のいつものお助けアイテム、「まだある」シリーズ。
amazonにて100円くらいで購入!

引用させてもらいます。

「ヨーチ」なる不思議な名称は、欧米の「キンダーガートンビスケット」に由来。
「英字ビスケット」など、多少の「教育効果」を持つビスケットを示すらしい。
直訳すれば「幼稚園ビスケット」。
これが省略されて「ヨーチ」となった。
さらに、ほとんどのメーカーの「動物ヨーチ」は、なぜかビスケット部分が全く同じデザイン。
ビスケットメーカーの老舗、宝製菓が一手に製造しているためだ。
さらに、動物と「どう見ても動物じゃないもの」が混在しているが、当初、動物型とは別におもちゃ型の商品があった。
経年のためにそれぞれの成型用の方が劣化、形のバリエーションが減少し、「じゃあ動物とおもちゃ一緒にして売ろう」となったのだとか。

まぁ当然ながら静岡で動物ヨーチをまくようになった原因は書かれてませんな。

いろいろな人に話を聞いてみて、なんとなくそう感じた程度ですが僕が個人的に思う原因としては

予想①…昔はこんなもんしか撒くものが無かった説

大昔は豆だけを撒いていたのだが、戦後世の中が豊かになりつつあり、景気づけに豆以外のものを色々まこうじゃないか!となり、手近にあるものを撒くことになった。
→豆、みかん、ヨーチ(静岡ではみかんもまきます!)
当然ながら昔はチョコやガムやケーキっぽいものやマシュマロなんか無いわけで、せんべいなんか撒いたら割れちゃうし、飴も個装の時代じゃなかったので砂利や埃がついたらベタベタになっちゃうし、あとなんですか、昔にありそうなお菓子…ふ菓子とかなんて投げても遠くに飛ばないし踏んだらグシャアってなっちゃうし
そんな中でヨーチはある程度の重さと堅さがあって遠くに飛ぶし、こどもも好きだし、カラフルで賑やかだし、畳とか砂利に落っこちても気にならないレベルだったんでしょう。
しかもおいしいし。という理由。

予想②…動物ヨーチが「撒く」ということに適していた説

現代でも通じる理由なんですが、豆まきのときに撒くお菓子というのは、意外とチョイスが難しい。
スナック菓子はボリュームがあるのが良いけど遠くに飛ばないし、ゼリー系はつぶれたらベチャってなるし、棒付き飴は棒が目に刺さったら危ないし、割れる、折れる、つぶれるようなものはあまり良くないです。
乳幼児さんともなればなおさら限定されます。ガム×チョコ×海外製品×
一部のチョコ、飴、ガム、うまい棒などスナック菓子も、そりゃまぁ入れますけどね。バリエーション的に。
そもそも和風のイベントである「豆まき」に、チョコやガムやマシュマロを撒くってナンセンスだし風流じゃないですよね。
そこは少しでも和風のものや昔ながらのものを撒きたいというのは人情というもの。
そんな中にあって、どうぶつヨーチというのは超優秀なんですね。
まさに豆まきのためにあるようなお菓子。

予想③…価格が安かった説

昔は家族経営の町工場みたいなもんで、この手のお菓子をそこら中で作りまくっていたそうです。
静岡市内にも、あそこは昔あれを作っていた、あそこであれを、あそこであれを、と父親からよく聞かされまくりました。
いまでも残存しているその手の町工場菓子メーカーというのは、値段に疎いんですよ。
大きなメーカーは原材料の高騰や、世の中の動きによってすぐに値段やパッケージを変えてきます。
小さなメーカーのおじいちゃんおばあちゃんというのは、もう年金暮らしですし、利益を大きくすることよりも面倒を嫌います。
パッケージのデザイン変える、印刷を新しくする、袋の形状を変える、中身の形を変える、味を変える、そういうのは絶対無理無理
あとこういうのは型が高いですからね、大昔の型を使い続けるからだんだんすり減って、そうやって動物だかなんだかわからないような形になっていくんでしょう。
ということで昔から変わらぬ味と値段という理由に一票。

はい考察おわり!つかれた!
ウチで最近人気のフルーティヨーチをご紹介。

これはなかかなか良いですよー
動物ヨーチで有名な黒川製菓の定番商品と違い、裸ではなく個包装。

果汁入り!合成着色料ではなく天然着色料!

 

色形ともに可愛い。
味の方がですね、これはとても素晴らしい。
果汁使用とは書いてあるけど、これほどとは…アイシングのフルーツ風味がめちゃくちゃ美味しいです。
ビスケット部分も、触感風味ともにGOOD。

でも裏を見るとコアラの目が怖かった。(偶然か?)

というわけでもう2月3日過ぎちゃいましたが!
来年の節分では静岡県外の方も県内の方も、豆まきに動物ヨーチをよろしくお願いしまーす!

ABOUTこの記事をかいた人

フリーペーパーの編集、量販店バイヤーを経験したのち、実家の家業である菓子問屋「あまのや繁田商店」を継ぎ4代目に。 旅とバイクとコーヒーが好き。