中庭のある菓子問屋

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縁側が邪魔してあまり気付かれないのですが、実は当店裏の自宅と店舗の間には、ちょっとした中庭があります。
非常に大きな苔の生えた岩が置かれ、土が盛られ、かなり背の高い木も植わってます。
今時期はすっかり葉も落ちきってしまいましたが、春には花も咲きますし、どこからか野鳥もやってきてピーチクパーチク鳴いてます。
と、なかなか四季折々楽しめますが、今日は庭師さんが来て余分な枝を切り落とす手入れをしていってくれました。

こういった庭はなかなか無いということで、気付いたお客さまには物珍しげに見ていっていただけますが、実はこの辺りではよくある事です。
僕が小学生の頃は、隣近所に遊びに行くと、決まって中庭がありました。

伝馬町も東海道府中宿の本陣脇本陣があった古い歴史のある町、昔からある家は何処も鰻の寝床のような間取りになっているものですから、長い家の間に、決まって中庭を作っていたようです。

それだけになかなか表には出てこないですし、空襲・大火・時代の流れで誰にも気付かれず無くしてしまった庭もあるようです。
当店も何度か庭存亡の危機にさらされましたが、岩が大きすぎて撤去が大変ということと、やはり残していきたいということで、残っています。

新しい店舗では、この庭は店内からもっと見える様にして、歴史や風情といったものをお客さまに感じて頂いて、まちの賑わいのひとつに加わることが出来ればと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーペーパーの編集、量販店バイヤーを経験したのち、実家の家業である菓子問屋「あまのや繁田商店」を継ぎ4代目に。 旅とバイクとコーヒーが好き。