カルビーのフルグラがバカ売れの理由を菓子問屋視点で考える

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今回はウチらしくない商品、カルビーの「フルグラ」の紹介というか問屋的考察です。

これはウチにとって、色んな意味でかなり珍しい商品。
カルビー自体は通常取引あるのですが、フルグラなどシリアル系は今まで手を出した事はありませんでした。

ですが僕自身、いつの間にかここ数ヶ月毎朝このフルグラで朝ごはんを済ますようになっていたんですよね。
ご飯よりも軽くて、パンみたいにパサパサしないし、美味しくて飽きがこなくて簡単で、時間の無い朝に重宝してますが、完全に我が家の朝食の座を奪った形ですね。
それならスーパーで買うよりはウチで仕入れてしまおうじゃないか。ということで気になって色々調べてみました。

が!生産が間に合わないほど全国的に非常~!に売れているようで、いざ発注しようとしたら全然来ない来ない。
特に800gなど大袋タイプがバカ売れのようで、メーカー問い合わせるもなしのつぶて。
さらにこの手の流行モノは発注しても大手スーパーやコンビニに優先されてしまうので、今回ウチが380gでも仕入れることができたのが奇跡というくらい。

流行モノと言いましたが、どうもこの流行は一過性のものではなさそう!というのが今回スゲーなぁと思った次第です。

そもそもこのフルグラ、誕生は10年以上前。
当時はシリアルで朝食を済ますなんて、ほんの一握りの新しいものに敏感な層が買うだけでした。
それが今やっと時代が追いついてブレイクした、という形ですが…

カルビーのヒット商品って、だいたいいっつもこの売れ方なんですよね
堅揚げポテト、じゃがりこ、じゃがビー、ベジップス。
これらの商品は今でこそ当たり前のように売り場に並んでいる超ロングセラー商品ですが、当然ながらこれらは最初からロングセラーだったわけではありません。

大きな会社ですから、当然ものすごい市場調査やマーケティングの上に成り立った理屈でバリバリのチームで作り出した商品…なのかと思いきや、意外と一人の社員が「絶対にこれが売れるんだ!社会に必要とされてるんだ!」と意外に情熱的に作った商品でもあるようです。
それでも泣かず飛ばずの砂を噛むような数年間を経て、ヒット商品→ロングセラー商品になるパターンもあるそうで
そういった精神的な根っこのある商品はいつか世間に認められるのかもしれませんねぇ…

→ベジップス誕生秘話
http://toyokeizai.net/articles/-/12555

翻って駄菓子の方に置き換えると、もう60年前に作られた商品にいっまっだっに頼って、それが全体の売り上げの大半を占める、なんてのは駄菓子メーカーによくある事。
フィリックスガムとか、もうフィリックスなんてキャラ自体ぜんぜん見ないのに、いまだにマルカワの売り上げトップですよ!?
新しいものを作る事に臆病になっている業界の体質もあるようです。
そんな中でも新たなロングセラーを飛ばそうと躍起になっているメーカーもありますが!

ここでフルグラに立ち戻ると、これまでのカルビーのパターン通り、誕生から十数年経って近年爆発したわけですが、他のカルビー商品と明らかに違う点が。

フルグラのライバルは、白米とパンなんですね…
お菓子という嗜好品ではなく、衣食住にも表される生活必需品「食」の一番大事な部分を担う部分を侵食しているのですよ!
朝ごはんが完全にフルグラにすげ変わってしまったわけです。僕の場合。
それもこれ、一過性の流行感ではないです。多分朝ごはんがフルグラ生活が続くと思われます。僕の場合。

だから本当にフルグラはすごい商品なんだと思うわけです。

長くなりましたが…そんなフルグラ、いま非常~に入荷が厳しい状態です。

片言の日本語で、「オンシャにはフルグラ扱ってマスカー?あるだけカイマス」なんて、おそらくバッタ問屋のような所が買い叩きの電話が何件も来る程なんです。

そんなわけでフルグラ、今回380gしか手に入りませんでしたが、450円+税とたぶんネット価格より安くしてると思います。

店頭にて是非お買い求めくださいまし!

ABOUTこの記事をかいた人

フリーペーパーの編集、量販店バイヤーを経験したのち、実家の家業である菓子問屋「あまのや繁田商店」を継ぎ4代目に。 旅とバイクとコーヒーが好き。